私の生涯日誌 その32

2016年  21日 10:11
中学から高校にかけての愛読書は富田常雄の「姿三四郎」と岩田豊男(獅子文六)の海軍、一口に言えば主人公の生き様とそれに寄り添う女性が私の心を打ち、私のその後の人生の手本となった気がする。

女性は姿三四郎に出て来る柔術家村井師範の娘乙美を早苗に重ね合わせ、かくあって欲しいとの気持ちが強くあった事から、言い方は悪いが長い時間をかけてその様に造り上げて行ったと、自分では思っている。確かに本人の性格が従順で無ければ無理だが、早苗はそれに叶う女性であったと今でもそう思っている。(ノロケではないよ)

姿三四郎の本は龍介兄が所持していた8冊位に分かれた本で表紙は赤く、紙は粗悪な薄黒い藁半紙の様な本で直ぐにボロボロになっていった。そんな状態だったのでいつ捨てられたのか記憶に無い。もう新品の本など無いと思っているので中古本を捜しているが、単行本で発刊されているかどうかも不明だ。

海軍は獅子文六が敢えて本名の岩田豊男で、戦時中朝日新聞に連載した小説だ。主人公の「谷真人」は真珠湾攻撃の特殊潜航艇で殉死した9軍神の一人「横山正治」をモデルにしたものであるが、その人となりは負けず嫌いで忍耐強く決して出しゃばらずいつも心は温かく、兄弟や友人に純粋な愛情を抱き、他人を出し抜き栄達しようとか少しも考えない人物であり、その背景にそれを育てた日本海軍の規律、訓練、信義、自己犠牲が、兵学校の教育や生活として表現されている。

この本を私は多感な時期に読んだことが、自分の人格形成に大きく関わったと思っている。私は軍国主義を賛美するつもりは無いが、この時代の若者の厳しい育て方は、本来今の時代に於いても尊重されるべき事であり、現代の、ゲームに熱中し個人主義的な人間を作り上げ、いじめや自殺等が蔓延り、社会に出てもひ弱な若者が多い話を聞くにつけ、育て方の大切さを今もつくづく感じているのは自分だけだろうか。

彼を密かに憶う親友の妹エダが彼の国葬を見送る最後の数ページの描写には今も涙する。この2冊の本は単純と言えば単純とも言えるが何故か自分はこう在りたい、女性はこうあって欲しいと言う何かを、心の芯に植えつけられた時期であったと思っている。決して男尊女卑では無く日本の女性の淑やかさ、謙虚さが懐かしいのは自分が年を取った所為かも知れないな。

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姿三四郎に憧れ、絣の着物に剣道着の袴を履いて。 この海軍の本は未だ新しい、昔の表紙は白い潜水艦の様なものに鬼の様に跨った姿が描いてあった。背景は青だった。

COMMENT 3

ひろし  2016, 01. 21 [Thu] 11:20

NoTitle

城さんの袴姿決まってますね。小生祖母の家に軍神○○の写真集、それと紀元は2600年のレコ-ド外、戦死した叔父さんの飛行服姿の写真などが有った事を思い出しました。戦時下は国民総動員で何事も軍最優先の世の中だったのでしよう「軍神」という言葉で思いだしました。

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エースの城  2016, 01. 21 [Thu] 14:57

NoTitle

ひろし君 コメント有難う
この海軍と言う本は良い本ですよ。この時代は戦争を鼓舞する本が多い中で、この本は戦争を謳歌する所は無く大戦争に直面した国民の必死な気持ちを良く表現していると思います。

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-  2016, 01. 21 [Thu] 23:20

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