フォルクスワーゲン不正問題

2015年  05日 18:10
先月9月20日過ぎから新聞紙上を賑わした、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を不正に逃れて、大きな問題になっているニュースを見聞きする度、私がM産業の豊橋営業所勤務時代に、同じ明海団地内にあった「フォルクスワーゲングループジャパン㈱」のT課長はこの問題でどうしているだろうと心配していた。
当時新規開拓先として何度か訪問し、広い駐車場や敷地内、岸壁に駐車保管されていた特徴のある色とりどりの車体を見ているだけに何となく他人事では無い気持ちだった。

それにしても数十年かけて築かれたドイツ製品の、質は高いと言うイメージを一挙に崩してしまった今回の不正を、米国の地方大学であるウェストバージニア大学の僅か5人の研究チームが暴いたと言う事、その調査に使われていた「車載式排ガス測定装置」は京都市の計測器メーカー堀場製作所で作られたものであり、揺るぎないと思われていた世界的大企業の不正摘発に小さな研究チームと戦後出来た日本の一企業が貢献したと言うのも皮肉なものである。

この不正はVWのディーゼル車が、試験時には排ガスの窒素酸化物を規制値内に抑えていたにも関わらず、実走行時には基準の35倍も多い事が判明した事である。ハンドルを動かさない状態でのテスト時には浄化装置がフル稼働する違法ソフトを搭載し合格させると言う最悪の不正で、「クリーンディーゼル」を謳い文句に今年の上半期の売上台数は、トヨタグループを抜いて世界首位に躍り出ていた。

この結末は未だ先の話になるだろうが、VW社は各国の規制当局から科せられる制裁金、消費者による訴訟費や賠償金が何処迄膨らむか想像もつかず、株の下落や売上減少とドイツ経済を揺るがす大問題となっている。
一方トヨタは4年連続で年間首位を守る公算は大きくなり、世界の規制当局では排ガス検査に、実際の走行時のテストを加える動きが強く、その為か上記堀場製作所の2000万円の新製品の受注は年20台の目標を既に達成し、先を見通したと思われるスズキは今年8月に資本・業務提携を解消したものの、VWの株は未だ売却しておらずこのまま売却すると利益は大きく目減りするだろう。

今回の事件は株価の下落で世界経済にも影響を与えたが、日本ではこのディーゼル車の販売はしておらず、悲喜交々の中ではトヨタ、堀場製作所等の方が多かったのは、日本にとっては良かったと言えるかも。

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