①二十四の瞳と②二十四の瞳

2015年  09日 14:25
原作:壺井栄の「二十四の瞳」のDVDを2つ観た。
①昭和29年作品 木下恵介監督 大石先生:高峰秀子 夫:天本英世 脇役陣:笠智衆、夏川静江、浦辺粂子、清川虹子           浪花千栄子、月丘夢路、田村高廣他  文部省特選映画 白黒作品(2時間半)
②平成16年製作:終戦60年特別ドラマ 大原誠監督 大石先生:黒木瞳 夫:渡部篤郎 脇役陣:小林稔侍、柄本明        八千草薫、小栗旬、石倉三郎、蒼井優、山田スミ子他  カラー作品(2時間)  

昭和3年に小豆島の苗羽(のうま)尋常小学校の岬の分校に入学した12人の子供達と師範学校卒の新人教師との心温まる物語は恐らく殆どの人が知っているだろう。監督の異なる2作品は配役が違うのは当然の事ながら、話の流れは原作に忠実に作られているものの監督の個性が夫々各所に表れているのも面白い。
主役の大石先生は二人共良く似た美人で演技もしっかりしているので見ていて気持ちが良い。子供達はどちらの子供を見ても同じように見えるから不思議だねぇ。両作品共時代背景はきちんと出来ている。
作品の違いとして、木下監督の作品は全編を通じて流れるバックの歌やメロディが非常に印象深い。前半の1時間は小学1年生に合わせた童謡や唱歌が流れ、歌として流す場面とバックにメロディとして流れるものが成長するに従って変わって行き、賛美歌が流れる時もあり、教え子達の出征場面では軍歌となり、先生が老いて再度岬に戻るころには童謡に戻っている。歌やメロディの間に物語が進んでいる印象が強く心に残る作品だ。
蛇足ながら夫役の天本英世は28歳にして映画初出演であり、旧制若松中学(現福岡県立若松高校)出身の私の先輩になる。晩年は名前よりも「仮面ライダー」の死神博士等不気味な存在感を放つ悪役として屈指の人気を誇っていた。
大原監督作品は最初に教え子の出征場面から始まり、後の話の流れは木下作品と同じような進め方ながら戦場場面が結構多い作りになっている。同時に変と言う程では無いが場面の中に強調され過ぎて少し重いかなと思われる所もあるのが私には気になったかな。カラーであるだけに、岬に戻った時の大石先生の顔に老け方の不足が感じられ、もう少し老いた感じの方が教え子との再会に感動をあたえるのではと思ったね。
大原監督はNHKの数々の大河ドラマの演出を手がけてはいるが、巨匠木下監督の後では大変だったと思うよ。同時にこの時代背景から考えると白黒映画の方が得だったような気もするね。

2015_060924の瞳0005 木下監督作品
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